• カトリック大阪高松大司教区 社会活動センター・シナピス

シナピスホーム便り(2025年4月)

シナピス事務局 山田 直保子

皆様、こんにちは!
シナピスホームでは2月15日にランチカフェが開催されました。
今月はアフガニスタン料理のビリヤニと、サラダでした。
アフガニスタン人のAさんは、当日の朝8時からホームへ行き、調理をしてくれました。
2種類のビリヤニ(チキンを混ぜ込んだお米とレーズンを混ぜ込んだお米)を用意し、ライムがふんだんに使われているサラダと共にお出ししました。
Aさんは、とても壮絶な背景を背負っているのですが、そのことを感じさせないくらいの明るさと天然キャラで、シナピスでもホームのお客様にも愛されています。
口うるさい私が注意しても、何も気にしておらず、ニコニコと「ごめんなさぁい」とあっけらかんとしていて、怒っている私が笑ってしまうくらいです。
時間を守らないこともしょっちゅうで、カフェの日はいつも遅刻。
日本のルールにはめてしまって申し訳ないのですが、これから自立するであろう彼女には、仕事で毎日遅刻していたら働けなくなる話や、日本は時間に厳しい社会という説明をして、「ランチは11時開催ですぐにお客様が来る日もあるので、11時までに仕上げておかないといけないのよ」と念入りに伝えます。
前日に買い物に行き、通常であれば下準備をするので、そのことをAさんにも言うと、「当日にすべてする」と言います。ちなみにAさんの母語はダリ語ですが、ペルシャ語も少し違うところがあっても大体同じで通じるため、イラン人に通訳をお願いしています。
16:50ごろ、他の難民移住者が片づけや帰る段取りをしているころ、ふとAさんを見ると、なんとエプロンとプラスチック手袋をして、ジャガイモやニンジンの皮をむき始めました。
「え?なんで帰る時間に今頃?明日しかできないって言ってたんじゃないの?」と、全員ぽかんとなりました。ちゃんと通訳してもらったけど、下準備は今日って伝わってなかったのかな?と再度聞くと、私に言われて、野菜の皮を剥いたり、切ったりしておくのは前の日でもいいなと思ったそうで、今しているのだと言い出しました。もう17時で帰る時間ですよと言うと、「大丈夫、大丈夫!」と謎の笑顔。なんとまぁマイペース。終始こんな感じなんです。
しかし、重い背景を抱えている難民移住者がたくさんいるシナピスでは、こういう明るさに救われているといっても過言ではありません。
ランチ当日はAさんがメニューを説明し、その言葉をイラン人が日本語で通訳してくれて、皆さん「美味しい」と言ってくださり、Aさんも満足げでした。重い話になると、Aさんは涙を流されていました。
(このことはシナピスニュース3月号「事務局こぼれ話」に掲載)
重い話をした後に、ダンスを始めたり、思わずズッコケてしまうような笑いがあり、涙ありで感情豊かな人間味あふれる日々で、人間の強さや弱さも、すぐそばで感じることができ、とても学ぶことの多い毎日です。

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