障がい者委員会委員長 石井 望
視覚障害を持つ人や聴覚障害を持つ人やその関係者から、教会の情報保障に関する声をお聞きすることがよくあります。一番多いのは、難聴のためミサのときに説教やお知らせの内容がよくわからない、ミサ後のおしゃべりや分かち合いについていけないから、参加したくないなどです。
「情報保障」「合理的配慮」については、シナピス・ニュースの2024年10月号から5回にわたって連続記事が掲載されたので、内閣府ホームページも併せてご覧いただけたらと思います。
また千葉県情報保障ガイドラインの具体例はとても参考になります。
今回は特に、難聴者への情報保障を取り上げます。前半で主な特性と配慮のポイント(千葉県ガイドラインを参考)、後半で教会での情報保障に触れたいと思います。
1)聴覚障害の特性と配慮のポイント
a) 外見から障害がわかりにくい。特に、 発語できる人は聞こえていると誤解される。
b) 会話は音声以外に、手話(ただし、聴覚障害者の9割近くは手話を使わない)、要約筆記、筆談、
スマホの音声認識機能を使うなどの方法がある。
c) 相手の口の動きや表情を見て理解することもあるため、口が見えるようにマスクを外して
コミュニケーションをとる。
d) 補聴器や人工内耳を利用する難聴の人は、聴こえても言葉の「聞き分け」ができないことも
あるので確認する。
e) 軽度の難聴で、騒がしい場所ではまったく聞き取れなくなることもある。
f) 片耳が聞こえにくい人には、正面か、聞こえる側から話しかける。
g) 大きな音が聞き取りにくい人には、大声でなく正面から口元を見せてゆっくり・はっきり
話しかける。
h) 手話通訳者を介して対話をする場合には、通訳者ではなく相手本人を見て話す。
i) 分かち合いの場では、複数の人の声が重ならないように、話者は手をあげて発言し、
話者以外の人は静かに聴くなどのマナーが必要。
2)教会のミサや分かち合いのとき
a)ミサや集会の場所には、放送設備と連結した補聴システムの設置が有効です。
b)補聴システムに対応した貸出用の受信機(ヒアリングループに対応した補聴器など)の準備が
あれば助かります。
c) 希望者には、筆談やノートテイクできる人が同伴する。気軽に筆談できる準備が望ましい。
d) 式文や説教の内容の字幕表示があるとわかりやすい。
あなたの教会は、どんな共同体を目指しますか?
教会としての「情報保障」どうしますか?
ご相談・お問い合わせは:教区障がい者委員会 dis@ostk.catholic.jp