シナピス事務局 山田 直保子
シナピスホームは、2024年12月に4周年を迎えました。5年目となった2025年も、難民移住者と共に居心地の良いカフェを開催できるよう努力していきます。みなさま、どうぞよろしくお願いいたします。
4周年記念ランチは、何度もミーティングを重ね、「全員が一品ずつ作り、それをプレートにしよう!」と、全員が「いいね!」と一致したアイデアが実現しました。
ブラジル:「フランゴ アサド(味付けをしたチキンを揚げたもの)」と「トルタ(野菜とお肉を重ねたタルト)」、ミャンマー:「ワッターアルー(豚肉とじゃがいもを煮込んだもの)」、イラン:「ゴルメサブジィー(様々なハーブや乾燥ライムを煮込み独特の酸味を出したシチュー)」。そして、そして、皆さん全員が提案した日本料理は、「クリームシチュー」!
「クリームシチューなんて、外国でも普通にあるじゃないの?」と聞くと、「ビーフシチューはよくあるが、クリームシチューは日本で初めて食べた」と言うのです。
そして、全員で力を合わせて作るクリスマスケーキ。イチゴや桃、ぶどうにアプリコットなどフルーツがたくさん入ったホールケーキ。
そこに今回はHさんのアドバイスで、説明がなくても誰が作ったものか、どこの国の料理かわかる各国の旗を立てようと言いました。皆さんも、「わかりやすいかもね」と賛成し、私は各国の国旗を印刷し、つまようじに貼っていく作業をしたり、ランチ前日は各自で買い出しに出かけ、下準備をホームで行いました。
夕方には、自立していったミャンマーのA君が遊びに来て、たくさんある各国の国旗を発見。「これは何に使うの?」と聞くので、経緯を説明しました。
「それはわかりやすくて良いアイデアですね」と前置きしつつも、「私たちの旗はこれじゃありません」と笑うので、何か間違ったのかと尋ねると、「この旗は政府のものです。でも私たちは違う旗を使っています」と言いました。。
そこで気づきました。「私はなんて浅はかなことをしてしまったのか!政府に反対して、命からがら日本に来た人たちに国旗を掲げる行為をしてしまった!なんて平和ボケしているんだ」と震えました。そして、すぐに全員に謝りました。
イラン人は「イランの国旗はアラブの字、ペルシャ語ではない。考えてみてください、日本の国旗に例えば、他の国の言葉が書いてあったら嫌でしょう?だから、私たちはみんな、あの国旗が嫌い」と教えてくれました。
私はすぐにこの作戦は中止しようと申し出ましたが、「ダメダメ、とても良いアイデア。一回見たらすぐ誰が作ったかわかる。どこの国の料理かすぐわかる。国旗が嫌いとは別にしてください」とイラン人は言いました。
傷つけてしまったと後悔している私はとても悩みましたが、こう言われて、そのままお出しすることにしました。
ランチ開催日、お客さんでにぎわい、ランチのワンプレートも国旗も大好評でした。難民移住者全員が料理の説明を行い、「美味しい」というお客さんの声に皆さん笑顔でした。
私はお客さん一人一人にこの国旗に関して、前日にあったことを説明しました。提案してくれたHさんの国は自分から戦争を仕掛けたことは一度もなく、国旗を誇りに思っていること。ミャンマーやイランは国旗に複雑な思いを抱いていること。浅はかな私はこの料理に国旗を立てることに何の疑問もわかなかったこと。イラン人たちも一緒にお客さんに説明してくれました。お客さんたちも私と同様に「そこまで考えていなかった、すごく勉強になった、ほかの人にも今日の話をしたい」と話してくれました。
私たち日本人にとっては、なんということのない日常の出来事一つ一つ、物事を深く考えていなかったことを反省しました。
そのあと、手作りのクリスマスケーキを皆さんにお出しして、コーヒータイム。
ミャンマー人A君のギター弾き語りから始まり、全員でジョンレノンの「ハッピークリスマス」を大合唱!歌が苦手な難民移住者も口ずさんでいて、とても良かったです。
センター長の松浦謙神父様からホームの祝福を受けて解散となりました。
終わった後も、反省しきりの私を気遣っているのか、皆さんが「今日の旗は良かったね」「見てすぐわかるのいいよね」と話してくれました。
この、人を思いやる優しさに私はどれだけ助けられてきたかわかりません。
甘えないで、これ以上彼らを傷つけないように、「ちゃんと考えて行動しなければ」という思いを強くしました。
本当にいろいろ複雑な感情がうごめいたランチでした。シナピスホームは、2024年12月に4周年を迎えました。5年目となった2025年も、難民移住者と共に居心地の良いカフェを開催できるよう努力していきます。みなさま、どうぞよろしくお願いいたします。
4周年記念ランチは、何度もミーティングを重ね、「全員が一品ずつ作り、それをプレートにしよう!」と、全員が「いいね!」と一致したアイデアが実現しました。
ブラジル:「フランゴ アサド(味付けをしたチキンを揚げたもの)」と「トルタ(野菜とお肉を重ねたタルト)」、ミャンマー:「ワッターアルー(豚肉とじゃがいもを煮込んだもの)」、イラン:「ゴルメサブジィー(様々なハーブや乾燥ライムを煮込み独特の酸味を出したシチュー)」。そして、そして、皆さん全員が提案した日本料理は、「クリームシチュー」!
「クリームシチューなんて、外国でも普通にあるじゃないの?」と聞くと、「ビーフシチューはよくあるが、クリームシチューは日本で初めて食べた」と言うのです。
そして、全員で力を合わせて作るクリスマスケーキ。イチゴや桃、ぶどうにアプリコットなどフルーツがたくさん入ったホールケーキ。
そこに今回はHさんのアドバイスで、説明がなくても誰が作ったものか、どこの国の料理かわかる各国の旗を立てようと言いました。皆さんも、「わかりやすいかもね」と賛成し、私は各国の国旗を印刷し、つまよう
イラン人は「イランの国旗はアラブの字、ペルシャ語ではない。考えてみてください、日本の国旗に例えば、他の国の言葉が書いてあったら嫌でしょう?だから、私たちはみんな、あの国旗が嫌い」と教えてくれました。
私はすぐにこの作戦は中止しようと申し出ましたが、「ダメダメ、とても良いアイデア。一回見たらすぐ誰が作ったかわかる。どこの国の料理かすぐわかる。国旗が嫌いとは別にしてください」とイラン人は言いました。
傷つけてしまったと後悔している私はとても悩みましたが、こう言われて、そのままお出しすることにしました。
ランチ開催日、お客さんでにぎわい、ランチのワンプレートも国旗も大好評でした。難民移住者全員が料理の説明を行い、「美味しい」というお客さんの声に皆さん笑顔でした。
私はお客さん一人一人にこの国旗に関して、前日にあったことを説明しました。提案してくれたHさんの国は自分から戦争を仕掛けたことは一度もなく、国旗を誇りに思っていること。ミャンマーやイランは国旗に複雑な思いを抱いていること。浅はかな私はこの料理に国旗を立てることに何の疑問もわかなかったこと。イラン人たちも一緒にお客さんに説明してくれました。お客さんたちも私と同様に「そこまで考えていなかった、すごく勉強になった、ほかの人にも今日の話をしたい」と話してくれました。
私たち日本人にとっては、なんということのない日常の出来事一つ一つ、物事を深く考えていなかったことを反省しました。
そのあと、手作りのクリスマスケーキを皆さんにお出しして、コーヒータイム。
ミャンマー人A君のギター弾き語りから始まり、全員でジョンレノンの「ハッピークリスマス」を大合唱!歌が苦手な難民移住者も口ずさんでいて、とても良かったです。
センター長の松浦謙神父様からホームの祝福を受けて解散となりました。
終わった後も、反省しきりの私を気遣っているのか、皆さんが「今日の旗は良かったね」「見てすぐわかるのいいよね」と話してくれました。
この、人を思いやる優しさに私はどれだけ助けられてきたかわかりません。
甘えないで、これ以上彼らを傷つけないように、「ちゃんと考えて行動しなければ」という思いを強くしました。
本当にいろいろ複雑な感情がうごめいたランチでした。