• カトリック大阪高松大司教区 社会活動センター・シナピス

「見よ、それはきわめてよかった」それなのに・・・

聖パウロ修道会 ブラザー阿部光一

「神はこのとてつもなく広大な宇宙を、何のために、誰のために創造されたのだろうか」・・・。

これは、近頃思っていることの一つです。

私たちの住む地球は、主星に太陽という恒星を持つ太陽系の一つの星です。

太陽までの距離は1億5千万キロ、光の速度でも約8分かかります。今見ている太陽系の星はさらに遠いし、この太陽系を考えるだけでも大きく広いのに、このような恒星がいくつも集まって銀河系、さらに銀河系のような星の集団が無数にあるといいます。

現在言われている「宇宙の果ての大きさ」は、138億光年の距離にあると言います。そして、今も広がっていると・・・。

天文学の進歩により、今の私たちはこのようなことが分かっていますが、二千年前のイエスの時代、さらにもっと昔の旧約の時代には知る由もなかったでしょう。

それでも、この世界が一人の創造主によって創られたということを理解していました。

「見よ、それはきわめて良かった」(創世記1 :13)は、神を信じる信仰をもって記された救いと希望を指し示す言葉です。

それなのに、今の地球はとても危うい状態に置かれています。ロシアとウクライナ、イスラエルとパレスチナ、ミャンマーの内戦等など・・・。第二次世界大戦における数多くの体験にも懲りずに、地球全体に ひと時の平和さえも訪れないのはどうしてなんだろうと思います。

神様は、創造の最後に人をお造りになりました。ご自分の愛を示したくて・・・。

それなのに私たちは、それをないがしろにしています。ご自分の最愛の子・イエスをこの地上に送り、「このように生きなさい」と示され、自らの死と復活によって、かけがえのない希望の光をもたらしてくださったのに、今もこの時間も大切ないのちが奪われていっています。

今の地球の状態をとても憂いておられる神様、一人ひとりのいのちを大切に思っておられる神様、どうぞ憐れんでくださいと祈るばかりです。

東日本大震災から間もなく14年。 亡くなられた一人ひとりのいのち、その一人ひとりにご家族がおられ、その悲しみは消えることがありません。その一人ひとりが神様のみもとで安らかでありますようにと祈ります。

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