• カトリック大阪高松大司教区 社会活動センター・シナピス

ガザにおけるジェノサイドと停戦をめぐる動き

カトリック夙川教会 西口信幸

ガザの人々が祖国で自由に暮らせる日が来るのでしょうか?

トランプ政権直前の1月16日、ガザ停戦の駆け込み報道がありました。1年以上、死の恐怖から片時も逃れることができなかったガザの市民が一夜でも安心して眠れる日がきたことは嬉しい出来事です。

停戦が少しでも長く続くよう祈りますが、イスラエルがトランプ政権への恭順を示す「停戦」のあと、ガザ、そして西岸に平和(=人権侵害がない世界)が訪れるのか厳しい現実が待っています。1948年のナクバ(民族追放)、1976年の占領(居住地追放)、2007年の「天井のない監獄」を軍事的に支援し、ガザのジェノサイドでは武器供与、後方支援で全面協力してきたアメリカの国連支配の構造は揺るぎなく、アメリカの掲げる「民主主義」の下で世界は沈黙を続けています。「力による平和」はガザの土地と主権をさらに奪い、西岸も含めたパレスチナの「完全イスラエル化」に限りなく近いものになっていくのでしょうか。この3ヶ月、報道されることなく計画的、継続的に行われつつあることを11月ニュースの速報で触れ、今月号でお伝えしようとしていましたが、停戦の動きがあり、いくつかの紹介の場とさせてください。「ジェノサイド後」は次月以降に新たな動きを整理した上で、改めて掲載させて頂きます。

「停戦」後も続くガザの人々の危機的な現状ヒロシマ原爆6個分の爆弾で復興には350年かかるとの試算もあります。20万人以上の市民、多くの子どもが殺され、2万人以上の重傷者が放置され、190万人の避難民は風雨の中、超過密キャンプの簡易テントで、イスラエル軍の援助物資の搬入妨害により飢餓状態で、幼児の凍死を防ぐこともできません。人々は「人間が考えられる絶望をすでに超えた」限界状態の中で何が起きてもおかしくない状況です。   

★ 「先住民パレスチナの抵抗への覚悟」 スーザン・アブルハウさん

イギリスで昨年11月に開催されたディベートでのよくまとまった演説があります。日本語字幕つきのYouTubeと、文字起こし版Webのアドレスを掲載しましたので、ぜひご覧ください。77年間の民族浄化とジェノサイドについてガザの人々の苦悩がよくわかる感動的な演説です。

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