*シナピスニュース2024年4月号より
高山 徹神父
主のご復活おめでとうございます。喜びと希望を分かち合えますように。
今年の復活の主日は 珍しく3 月31 日でした。
そして、あくる日、4 月1 日(月)が社会的にも新年度の開始となります。日本の年度システムは世界的に珍しいものと伺ったことがあります。
特に今回のご復活翌日の年度開始は、ある意味で摂理的な連動を勝手ながら感じております。それは、新しく年度を始めることで、何か新しいいのちの意味に繋がるからかもしれません。
現実には、一新どころか惰性を、新しいいのちどころか変わらない古めかしさを、依然として覚えてしまうこともあるやもしれません。
それでも、新しくされることを求め続ける限りにおいて、私達は変わっていく可能性をもっています。何よりも、復活の神秘は恵みです。
私達は既にいただいている恵みの大きさ・確かさに気づいていかねばならないのだと思います。
この4 月1 日をもって、宗教法人カトリック大坂高松大司教区が歩み出します。アジアの教会全体を見ても新しい取り組みです。
四国の司祭として、旧大阪教区の皆様には、これから宜しくお願いしますと申し上げたいです。
時として、統廃合や合併は、ネガティブな印象も付きまといますが、むしろそれこそ前向きに捉えていく必要があると感じてます。昨年の世界代表司教会議(シノドス)では、地域教会のグループ化や国際的な教会管区の設立による連帯や協働が検討されました。(*「まとめ」報告書参照)
今や教会や世界は、様々な諸課題を前に皆で共に取り組むことが求められています。
かの実存主義哲学者のキルケゴールは言っています。「人生とは、解決すべき課題ではなく、味わうべき神秘である」と。
答えの容易に出ぬ中にあっても、その時その時の恵みを味わわせて頂く…変えるべきものを変える勇気を、そして、変えられないものと変えるべきものを区別する知恵が与えられますように。