• カトリック大阪高松大司教区 社会活動センター・シナピス

辺野古の報告集会に参加して

大森 雄二

8月18日、『辺野古は今~埋め立てを止めるために~』と題された集会(主催:Stop!辺野古新基地建設!大阪アクション)に参加してきました。

定年前から十年にわたりゲート前での座り込みに参加されてきた宮崎史郎さん(全港湾建設支部)のお話は海上工事に関する専門的な部分も多く、難しいところもありましたが、監視活動の中身には驚かされました。

出入りするダンプカーの数と積荷、生コン車の数を正確に記録し、ゲート前だけでなく他の場所から見える情報と併せて、工事内容とその進捗状況を具体的に指摘されていたからです。そこから導かれた結論は、工事は遅々として進んでいない、できることをしているだけで、本当にやるべきことはできていない、でした。

「マヨネーズ並み」と言われる軟弱な地盤の埋め立てが本当にできるのか。本来なら、この軟弱地盤の海底調査を行ってから出されるべき、防衛省からの設計計画の変更申請について、知事が調査不足を理由に不承認とすると、国と県との間の法廷闘争に発展し、最後は国が県に代わって承認手続きができる「代執行」という形で押し切られてしまいます。

膨れ上がる工費(当初の2.7倍)と延びる工期(9年3か月)の試算はできても、それで収まる保証はどこにもありません。

そもそも普天間基地と比べて短い滑走路しか建設できないため、辺野古に基地ができても普天間が返還されない可能性さえあるとのこと。最後に宮崎さんは「十年で止められると思い座り込みに参加したが叶わなかった。あと五年、十年かかるかもしれないが、様々な力を合わせれば必ず止められる」と締めくくられました。

次に、カヌーに乗って海上で抗議活動を行う小野純一さん(辺野古ブルー HYOGO)がお話しされました。「カヌーが現場の海に繰り出したところで何ができるのか。工事の妨害をして、数時間でも数日でも工事の進行を遅らせることができればとの思いで参加しています」と淡々と語られる姿に心を打たれました。

当初の、沖合を埋め立てて新基地を造る計画は、粘り強い海上行動によってボーリング調査の中止に追い込まれ、キャンプ・シュワブ(名護市と宜野座村にまたがる米軍海兵隊基地)の沿岸を埋め立てる現在の計画に変更された経緯があります。一度は辺野古の海を守った海上行動ですが、この変更によって、抗議活動は難しくなってしまいました。それでも、最深90メートルにも及ぶ巨大な埋め立て工事に、素手のカヌーで反対の意思を示し続ける小野さんたちの姿と言葉に、なぜか福音的なものを感じました。

最後に、ジュゴンとサンゴを調査している松島洋介さん(ジュゴン保護キャンペーンセンター)が紹介した言葉を記します。

「人間の事情と営みで、サンゴもジュゴンも死滅に追いやられているように見えるが、子孫にまっとうな環境を残そうと考えない種は人間くらいではないだろうか。そんな人間がサンゴやジュゴンよりも永らえるとは思えない」。

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