障がい者委員会 吉川 康夫
それは、障害を持つ人が、障害を持たない人と同等の機会を得るために、事業者が提供しなければならない対策や設備のことです。
これらの具体的な対策や設備の提供は、2024年今年4月1日から努力義務ではなく、義務とされています。
(参考)「合理的配慮」の英語は“Reasonable Accommodation”です。
「納得できるお互いの調整」と訳すと分かり易いです。「無理をしなくてよいのなら、やらなくてもよい」ということにはならないのです。
内閣府のパンフレットから ● 合理的配慮は、障害のある人にとっての社会的なバリアを除去することが目的ですので、ある方法について実施することが困難な場合であっても、別の方法で社会的なバリアを取り除くことができないか、実現可能な対応案を障害のある人と事業者等が一緒になって考えていくことが重要です。 |
<例1>コロナ禍では、政府や地方公共団体の人が、マスクを付けて話していました。
聞こえない、聞こえにくい人は話す人の口の動きを読み取ります。多くの人・団体からマスクを外して話して欲しいとの要望があり、その様になりました。
<例2>生まれつき難聴の人や高齢者になって難聴になった人にとって、小さな声や雑音の中での声、そして早口で話されると大変聞きづらいものです。
聞き取りやすい話し方や環境の配慮が必要です。設備面では、まずマイク設備と話し手のマイクの使い方を正しくすること。
また、自分の補聴器でも聞けるヒアリングループ(磁気ループ)や、専用レシーバーで聞く赤外線やFMの補聴装置の設置は効果的です。
ゆっくり話すとミサの時間が長くなるとの心配があります。しかし無駄な時間を省き、お説教やお知らせなど大切なことはゆっくり話すなどの配慮を一緒に考えたいものです。
<例3>見えない人にとって、点字は大切な情報手段です。大阪高松教区では、「聖書と典礼」と全教区民宛の公的文書は点字で提供されています。
しかし、小教区内の文書にまでは至っていません。どの文書を点字訳にするか、どの文書は音訳(読み上げ)してもらうか、献金袋に手で触れて分かる印などを使うかを点字を必要とする当事者と教会が話し合うのが良いでしょう。
内閣府政策統括官(共生・共助担当)付障害者施策担当