• カトリック大阪高松大司教区 社会活動センター・シナピス

シナピス事務局こぼれ話(2024年6月)

5 月5 日 さとに行ったらええやん

「こどもの里」が創立44 周年を迎えたので、「こどもの里」にお邪魔しました。
館長の荘保(しょうほ)共子さんの挨拶「44年間、私はここで何してきたかというと、ずっと遊んでました!」 こどもたち、拍手。
その日は幼児さんから中高生までケッサクな舞台が次々に披露されました。
舞台に出たこどもたちが歌うと会場の子たちも歌い、誰かがヘマをしても皆は喜んで歓声をあげ、誰かがセリフを忘れると、あちこちからセリフを教える「大きな囁(ささや)き声」が聞こえてくるのでした。
こどもだらけで足の踏み場もないほどの部屋では、こどもたちがこどもの世話をしていました。乳幼児さんたちは皆に抱っこされたり誰かの背中にぶら下がったり。「不思議に怪我をしないのよ」と、こどもの里の常連さんのマリア・コラレスさんは笑っていました。
ところで舞台の袖には幾人かのこどもたちの写真が飾られています。
病気で亡くなった子、電車に轢(ひ)かれて亡くなった子、大人に殺された子たちの遺影でした。
圧倒的生命力の「こどもの里」の遊び場のなかに佇たたずむ遺影は、「このこどもたちがもうこの世に存在しない」という存在感を際立たせていました。
「全てのこどもは幸せでなくちゃいかん」と、ただそれだけを願う「こどもの日」でした。
【写真は、映画『さとにきたらええやん』のポスター】

5 月〇日 国籍のないユンちゃんが来る

この日はきょうだいのうちの一人、ユンちゃんが久しぶりに訪ねてきました。
永住資格を取れば帰化の可能性もあるかもしれないと考えて、私たちは準備を進めていたのです。

私が4人の幼いきょうだいに出会ったのは、今から20 年近く前です。こどもたちの出生届の父親欄には日本人の名が記され、こどもたちの名前も顔立ちも日本人ですが、事情があって国籍がありません。この20 年間、私たちは色々支援をしてきましたが、今も国籍を取ることができないままです。
他のきょうだいの近況を尋ねると、姉は人間嫌いで音信不通。兄と弟は孤立して、ずっと死にたがっている、というのでした。



5 月15 日 東京出張のついでに「永住取り消し反対」署名提出に行く

「永住許可を簡単に取り消せるような法案が出てきた?!」と、市民が知って、「えらいこっちゃ」と慌てて署名を呼びかけて2ヶ月。
短期間にも関わらず全国で集めた署名は4万947 筆でした。
この日、呼びかけ団体の「移住者と連帯する全国ネットワーク」が政府に署名を提出すると聞いて、たまたま東京に出張に出かけていた私も馳せ参じました。
代表の鳥井一平さんは「この署名の裏には署名できない当事者80万人がいるんです」と言われました。
私の身近なところでも「納税義務を果たさない人がいれば、日本人と同様の措置を取ればよい」、「これは入管ではなく税務署の仕事」と尤(もっと)もな声が多く聞かれます。
残念ながら衆院で可決されてしまいましたが、どうか法案を阻止できるよう国会へファックスやメールで声を届けましょう。

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